こんにちは、つしまです。今週はDMハガキの入稿データを作成しました。
そこで今回は、印刷物を入稿する際に忘れがちな、おさえておきたいポイントを5つまとめていきます。
トンボマークと塗り足しの処理
塗り足しとは、背景を仕上がりサイズよりも3mm以上大きく作成することです。断裁は数mmズレる可能性があるので、仕上がり位置からはみ出すように塗り足して余裕を持たせておきます。
背景色が白の場合塗り足しは不要ですが、紙端まで色が入っている場合、背景色として配置しているオブジェクトの端を選択して外トンボまで拡大します。
オブジェクトの配置を調整する際の微調整は、マウス操作よりも方向キーが便利です。キー入力の値を「0.1mm」に設定しておくと、shiftキーを押しながら矢印キーを押すことで10倍、つまり1mmの移動距離になります。
埋め込む画像のカラーモードはCMYKに設定
印刷用データはCMYKカラーでのデータ作成が基本です。デジタルカメラで撮影した写真やインターネット上の画像の多くはRGBモードになっているので注意が必要です。
画像をeps形式で保存し直す際に、Illustrator、Photoshopの「カラー設定」を適切な設定で統一することを忘れないようにしたいです。
特色の有無・ブラックの確認
プロセス4C(カラー)印刷の条件で印刷をお願いしている場合、4C+特色の5Cでは1版増えてしまいます。その場合は、特色をプロセスカラーに変換して再入稿しなければなりません。[分版プレビュー]パネルを表示させると、どんな特色が使われているか確認することができるので、DICカラーがあった場合、スウォッチからDICカラーを選んで削除するようにします。スウォッチパレットからDICカラーを削除すると使用している特色が自動的にCMYKの近似色へ置換されます。
また、「オーバープリントプレビュー」にチェックを入れると、CMYKそれぞれの版を表示/非表示させることができます。印刷時に色ズレが起きた場合、オブジェクトのズレが目立つことを防ぐために、スミベタで表現したいときも「K=100%」の色味をあえて指定せず、1%でもC・M・Yいずれかの色を入れるようにします。
いらないデータが残っていないか確認する
作業中に色々試した結果、最終的には使用しないデータがアートボード外に残っている場合があります。印刷する上で表示されない、余分なデータは削除しておきます。使用していないレイヤーも削除して、トンボとデータの2つのレイヤーのみにしておきます。
また、孤立点のチェックも忘れないようにしたいポイントです。孤立点とは、余分なポイントや、文字が打ち込まれていない空のテキストボックスのことです。孤立点を残したままにすると、デザイン上意図しないものが印刷されてしまったり、サイズが間違って印刷されることもあるので、必ず確認して削除しておきます。
非表示設定・ロックの解除
Illustratorで一部のオブジェクトだけを選択して編集したいとき、重なったパスや画像などが邪魔になる場合があります。そんなときは意図せず周りのオブジェクトを触らないように、オブジェクトを個別にロックしたり、隠したりして作業をスムーズに行なっています。入稿前に非表示になっているもの、ロックされているものがないか一度確認することが大切です。
レイヤーの非表示
レイヤーパネルで目玉アイコンが出ていない非表示レイヤーがないかチェックします。
オブジェクトの非表示
⌘+⌥+3で入稿前に非表示になっているものがないかチェックします。メニューバーからは「オブジェクト」→「すべてを表示」で、隠されているオブジェクトを一括で表示することができます。
ガイドの非表示
⌘+;でガイドを表示し、残っているものがあったら削除します。
ロックの解除
⌘+⌥+2ですべてをロック解除することができます。
さいごに
印刷開始前に再確認や修正などが入れば納期が遅れてしまうため、正確なデータで入稿することは重要です。
印刷注文から納品までをスムーズに行うためにも、印刷会社での手直しなしでそのまま印刷・加工作業に入れる、不備のない入稿データ作成を心がけていきたいです。