こんにちは、つしまです。今週はモノクロの新聞広告を作成しました。
新聞は特殊なメディアということもあり、入稿データを作る際やデザインを行う際には一般の商業印刷とは違った形式、色々な制約と抑えておくべきポイントがいくつかあります。ということで今回は、制作をするときにアドバイスをもらった新聞広告のデザインで注意することをまとめたいと思います。
目立たせたいものは白か黒ではっきりと表現する

モノクロの新聞広告はスミ1色だけで表現するので、引き立たせたい部分はメリハリをつけて表現することが重要です。例えばタイトルや社名、商品名などにグレーを使うとぼんやり見えてしまうこともあり、重要な部分にグレーを使う頻度は少なく、スミ100%または白ヌキ文字でメリハリをつけてデザインします。
文字の装飾に関しても、スミ一色の中で濃淡や色の反転、図形などを駆使して内容をグループ分けしていく必要があります。フルカラーのデザインをIllustratorでそのまま[編集>カラーの編集>グレースケールに変換]しただけでは、カラーで製作したパーツの「色の濃さの情報」だけが残るため、元の色によっては微妙なグレーになってしまいます。情報が正しく伝わるように、目立たせたい部分はきちんとK100%に指定しなおすなど、読みやすさを心がけることが重要だと感じました。
扱いや意味合いを変えたい文字などが隣り合う場合にも、フルカラー原稿と違い、色で違いを出すことができません。そこで文字の濃度よりも、飾りを入れたり袋文字にしたり、帯を敷くなどしたあしらいで違いを出すことで、スミ1色でも目につくようになりました。
モノクロ写真は新聞紙の地色を考慮して、明るめにレタッチ

Photoshopでも、Illustratorと同じく[イメージ>モード>グレースケール]の機能があり、これを使えば簡単にモノクロになります。しかし、新聞の紙は真っ白ではなく元から少しグレーがかっているので、薄い色が思いのほか濃い色で印刷され、場合によっては暗めに見えてしまうことも。そのままグレースケールに変換しただけでは、ぼんやりしたイメージの写真になってしまいます。
そこで補正しておきたいのがコントラストを強めにしておくこと。前述の通り、モノクロにすると「色の濃さの情報」だけが残ります。だいぶ明るくしたつもりでも紙面で見ると真っ黒になっていることもあるので、メリハリが出るように補正をかけておくことが大切です。
やり方は色々あると思いますが、Photoshopの[レベル補正]を使うと暗い部分をさらに濃くしたり、明るい部分を飛ばしてコントラストを調整することができます。例えば上の写真。「グレースケール」の方法でモノクロに変更すると、花と背景が同化して何を伝えたいのかが不明瞭になってしまっています。赤と緑はモノクロにしたときの「色の濃さ」がほぼ同じなので、このような結果になります。下は「レベル補正」で背景と花の明るさを調整し、メリハリをつけた写真。花の輪郭を立たせることで、色はなくても華やかな雰囲気が伝わる気がします。
さいごに
テキストも画像も濃淡(メリハリ)に気をつけることがポイントだと学びました。新聞の特徴を理解した上で、白と黒でも目につくような工夫を行ったり、適切なレタッチ表現ができるようにしておきたいです。