こんにちは、つしまです。今週はロゴの制作をすることが多かったのですが、「ロゴのサイズを大きくした時と小さくした時で印象が異なって見える」という指摘を受け、ただリサイズして終わりではなく、どんな場面でも一貫した見た目であるように調整することも大切なんだと学びました。
修正の参考にと様々な企業の「ロゴガイドライン」が書かれた本を見せてもらったのですが、それがすごく勉強になったので、本記事ではロゴガイドラインの目的や構成要素について詳しくまとめたいと思います。
ロゴガイドラインとは

ロゴを使用する際のルールや指針をまとめた、「取扱説明書」のようなものです。ロゴのサイズや色、配置、余白、フォントなど正しい使用方法やルールを明確に定めます。ガイドラインを定めることは、ロゴデザインの標準化を図るためでもあります。標準化とは、誰が見ても同じロゴデザインだと認識できるような表現の基準があることです。そして、基準が遵守されることでロゴデザインの一貫性が保たれます。
基準が設けられていない場合、色やサイズ・比率などが少し違っただけでも大きく印象の異なるロゴになってしまいかねません。印象の違うロゴデザインが使われた制作物が複数回出回ると、同じ企業のものと認識されない恐れもあります。他社のロゴを模倣したと思われたり、ロゴデザインにこだわりのない企業だと思われたりするのは企業にとってもマイナスイメージです。
- 企業やブランドの一貫性を保ち、ブランドイメージを損なわないようにする
- 企業内外でロゴの正しい使用方法を共有し、意図しない表現を未然に防ぐ
- ブランドのメッセージ、コンテンツ、ビジュアルなど、統一されたイメージを築く
- 広報関係者がロゴを扱う際、迷わずに迅速かつ適切に利用できるようになる
- 万が一誤った使われ方をした場合でもブランドやロゴの管理・チェックがしやすくなる(ブランドの信頼性を守る)
ロゴガイドラインの構成内容(一例)
基本形の設定、ロゴパターン
ロゴマークの基本形を設定します。
用途に応じて欧文タイプ・和文タイプ、縦組み・横組みなど数種類の組み合わせが設定されていることが多いです。
アイソレーションエリアの規定
アイソレーションエリアとはロゴが他の要素と識別できるよう、視認性や独立性を確保するためにロゴ周りに確保される余白のことです。余白エリア、保護エリア、クリアスペースなどとも表記されますが、このエリアには他の要素を配置しないよう指示します。
最小サイズの指定
ロゴの視認性と可読性を確保するために、これ以上小さくしてはいけないという最小サイズの数値を設定します。
特に印刷物においては小さすぎると細部が潰れ再現性を保てない恐れがあります。
色の規定
表示する媒体やアプリケーションによって色味が変わらないよう、CMYK、RGB、DIC、PANTONE、グレースケール(モノクロ)、Hexなど、それぞれのカラー表示の数値を指定します。
背景色について
背景色に対してどのようにロゴを表示すべきかを定めます。ロゴと背景色の明度が近いと視認性が低くなってしまいます。そのため、視認性を確保できる色の範囲を指定します。
ロゴ使用時の禁止事項
ロゴが間違った使い方をされないために、形状の変形・加工、色の変更、他の要素や背景との組み合わせなどの禁止例を記載します。
企業が公開しているガイドラインの一例
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SDGs
さいごに

調べてみるとレスポンシブなロゴも多く見られて、利用用途で異なる要素を含むロゴのバリエーションを作成したりと、場合によってはスケールに合わせて構成要素の足し引きを行うことも重要なんだと学びました。